「うわぁ!?」
エドワードのいつもより数段高い悲鳴がロイの家に響き渡った。
今まさにエドワードは階段から一回の床へと真っ逆さまに落下しようとしていた。
***私の中の命***
エドワードとアルフォンスが元の身体に戻ったのは約一年前。
探し求めていた賢者の石を自ら作りだすことに成功したのだ。
姉弟はある日ひょっこりと中央へ訪れた時にはもう身体が戻っていた。
弟のアルフォンスは全身を。
姉のエドワードは右腕と左足を。
機械鎧着用のために剥ぎ取った肉は禁忌で持っていかれたものではないので戻ってはこなかったが、賢者の石の力でなんとか練成できたそうだ。
詳しく話を聞き出そうとしたが、教えてはくれなかった。
微笑んで首を横に振るばかり。
勝手な憶測だが、ヒューズのように私達を巻きこみたくないのだろう。
いや、彼女たち姉弟は人一倍周囲に気を使うからきっとそうなのだろう・・・。
いまだって賢者の石を欲する者はいるからだ。
でも、やっと彼女は危険なことをしなくなったのだ。
傷ついて血を流して心を痛めて罵声も浴びせられることも軍部や民衆にも気を使うことも無くなるだろう。
恋人としてこれ以上嬉しいことはない。
いつもいつも傷ついて帰ってきては、また当てのない旅に旅立つ・・・。
待っていると決めたのだが、これが結構つらい日々だった。
彼女たちを信じていないわけではなかったが、この日常が永遠に続くのではないかと思ったときも何度かあった。
だが、今はもう待たなくてもいい。
存分に彼女を独占できる。
この手で慈しむことが出来る。
ロイは元に自分に戻り会いに来てくれたエドワードに、自分の想いを告げた。
エドワードはビックリし怒りながらも、ロイの気持ちを真っ赤になって受け入れたのだ。
ロイはあまりの嬉しさに軍部を早引きしてエドワードを自分の家へ連れて行き、身体に愛情を注ぎ込んだ。
婚約を取りつけ今すぐにも結婚したかったが、上層部から仕事が嫌がらせのごとく大量に押し寄せて来るため諦めざるを得なかった。
だが、半年後にはかならず結婚式を挙げようと二人で誓ったのだ。
それからエドワードはロイの家に住むことになり、毎日のように抱き合った。
避妊もしないで・・・。
半年後子供ができました☆
妊娠五ヶ月だそうです。
喜びましたが、また結婚式は延長になりました。
「避妊ぐらいしろよ!!」
「こうして二人の愛が実を結び愛しの子供を授かったのだから良いじゃないか。ね?」
「・・・、子供もほしかったけどまずは結婚式したかったな・・・」
エドワードが頬を染め視線を逸らしながらなんとも可愛らしいことをいうからロイはノックアウトされ、そのままエドワードをつれて寝室へと向かったのだった。
結婚式は子供が生れた後に盛大に行うことに決めて、それまでの間二人はつつがなく暮らしている・・のだった・・・?
あらすじはこのくらいにして、冒頭に戻る。
「エ、エドワード!?」
エドワードはバランスを崩し階段から落ちる瞬間だった。
持っていた洗濯物の籠が床に落ち洗濯物が散らばりったのを見て、後で拾わなくちゃ・・・と違うことを考えていたエドワード。
たまたま階段の近くを通っていたエドワードの夫となるロイが、悲鳴に気付いた時にはもうエドワードの身体が空中に放り出されているところだった。
エドワードは落ちる!!と思った瞬間、目をきつく閉じ後に来るであろう衝撃に備えて身体を硬くした。
手は無意識のうちに子供のいるお腹を庇っていた。
が、衝撃は来なくロイの自分を呼ぶ声が聞こえたら身体が優しく抱きとめられたのだった。
ロイは何故階段から妻が落ちてくるのかと驚愕に顔を引きつらせながらも、考えるより早く身体が動きエドワードの身体を抱きとめた。
エドワードを抱きとめ、その勢いのまま二階の二人の寝室へと猛然と走った。
ベットにエドワードを座らせるとロイは床に膝をついた。
はぁはぁはぁ・・・・。
二人して息が荒い。
お互いの目を見ながら息を整える。
「エド!なにをしているんだ!?」
エドワードの身体に怪我がないことを確認し、安心したが怒りが沸いてきた。
今日という今日はしっかりと言ってやる!!
ロイの怒りはもっともだ。
普通にしてても早々落ちないものを、妊娠しているのだから何で階段から落ちるのだ!!
妊娠してるからいつもより周りに気を使うだろうに!!
「なにって、洗濯物を干そうと思って・・・」
そしたらちょっとバランスを崩して・・・。
気まずそうな顔で言い訳をするが、ロイとしてはちょっとバランスを崩し階段から落ちたら堪ったものではない。
ロイに怒鳴られて落ちこむエドワードは俯きポツリポツリと話す。
「洗濯物って・・・!少しはおとなしく出来ないのかね!!」
「だって!!」
「だってじゃない!エド一人の身体じゃないんだぞ!!」
その言葉にエドワードはビクっとして自分のお腹に手を当てた。
ロイもエドワードの腹部に手を添えた。
「ここに二人の子供がいること、忘れているわけじゃないんだろう?」
すっかり大人しくなったエドワードを抱きしめながら、優しく諭すようにいうロイ。
子供がいることを自覚してほしい・・・。
もちろん子供だけではなくて、自分の身体も守ってほしい。
何に関してもこの子は無自覚過ぎるのだ。
「ごめんなさい・・・」
素直に謝るエドワード。
その瞳から涙があふれ出ていた。
驚いたのはロイだ。
そんなにきつく怒ったわけではないはずだ。
ごめんなさい。ごめんなさい。
何回も謝って来るエドワードに、居たたまれない気持ちになるロイ。
エドワードは妊娠してからも大人しくするわけもなく、ちょろちょろ動いている。
ことあるごとに軍部へ顔を出しにきたり、重い荷物を持ったり、買い物に行ったり・・・。
本当に身ごもっているのか!?と疑いたくなるほど身軽に動き回っている。
夫としては心配で心配で仕方がないのだ。
自分を想ってくれて動いてくれるのは大変嬉しく喜ばしいことだが、今は家で子供の服の編物や料理などをしていてほしい・・・と思うのはロイの我侭だろうか・・・?
女らしくしろとは言わない。
男勝りなエドワード、勝ち気なエドワード、男装をしたエドワードに惚れたのだ。
無理はしないでほしい。
エドワードは細身なので腹部はあまり膨れていない。
ゆったりした服を着ると妊娠している風には見えないのが問題だ。
だから、外に出ると妊婦として扱ってくれないことが多々有る。
しかも元国家錬金術師であり、ロイ・マスタングの婚約者なので、軍部に恨みをもつやつらには格好の餌食だ。
その度にロイは相手に怒り狂うのだが、エドワードは分かっているのか、反省をしているのか分からない。
そのためにあまり身ごもってい時には(普段でも)外には出したくないのだ。
誰にも目をふれさせたくないと思っていほど溺愛している。
エドワードはエドワードで、妊娠したからといって大人しくなんてしてられないのだ。
なにかロイの役に立ちたい!!その思いが心を占めていて、すべてロイのために動いていた。
妊娠しているといって役立たずなんかになりたくないのだ。
だが、裏目に出てしまって結果ロイを怒らせてしまったのだ。
エドワードはロイの役に立ちたいのに邪魔をしてしまっていたらしい・・・。
それが分かってきたら無償に悲しくなり、自分の意思とは関係なく涙が溢れてきたのだ。
「ロイの、・・っ役に、・・・立ちたか・・ったから・・」
エドワードは途切れ途切れに自分の思いを伝えた。
ロイがエドワードの身体を放し肩を掴んで顔を覗いた。
黄金の大きな瞳から止めることなく溢れ出る涙。
悲しそうに顔を歪めるエドワード。
唇をかみ締めこれ以上泣かないようにしているが、涙は出て来る。
ロイの顔を見ないで俯き泣くエドワード。
泣かせるために叱ったわけではないのに、泣かせてしまった。
エドワードは自分のためを想って無理をして動いてくれてたにもかかわらず、自分はなにも分かってやれなくて怒鳴ってしまった。
自分が不甲斐なく感じてしまってエドワードの顎を掴み上を向かせキスをするロイ。
「・・んっ・・!」
いきなりだったので驚き目を見開くエドワード。
ロイの唇が深く入りこむ。
泣いていたせいで鼻が詰まっていて鼻で息ができないので、苦しいとロイに訴えるとしぶしぶながら唇を放した。
離す瞬間ぺロッとエドワードのふっくらした唇を舐めた。
「すまない・・、きつく言いすぎた・・・」
エドワードの目尻にた待っている涙を唇で舐め取りながら、落ちこむロイ。
しょぼんとしているロイに、なんでロイが落ちこんでいるんだ?と思ったが、自分が悪かったのに・・・。と思案するエドワード。
「ロイ」
しばらく考えた後、エドワードはロイの名を呼び上を向かせた。
ちゅっ。
潔く顔を上げたロイの唇へエドワードから触れるだけのキスをした。
エドワードからキスをされるのは大変珍しいことなので、呆然とするロイ。
「あの、ごめんなさい。これからはロイの言いうことと聞くから・・・」
顔を赤くしながら消え入りそうな声色で自分の思いを伝えるエドワード。
これは告白よりも恥ずかしい!そう思ったがロイのためだと思い我慢をする。
ロイはエドワードからのキスで、さっきの泣き顔から欲情していた理性がブツリと太い音を立てて切れ、エドワードをベットへと押し倒した。
「エドワード・・・」
エドワードの顔を覗き込み再び愛らしいが罵詈憎御を吐く唇に自分のを押しつけた。
ちゅっちゅっちゅ。
テンポよく角度を変えながら軽いキスを繰り返す。
エドワードも気持ちよさそうにロイの首の後ろへ腕を回した。
ロイはエドワードの行動に気を良くし、スカートの中へ手を差し込んだ。
「・・・・てゆうか、妊娠しているのにしていいの?」
ストップを掛け、ふとした疑問を投げつけるエドワード。
妊婦としてはこのまま流されてやってしまってもいいのだろうか?
お腹の中にいる子供には影響がでないのだろうか??
自分から誘っといてなんだが、そんな知識がまったくないエドワードは困っしまった。
それに、今までロイは妊娠したと分かってからはSEXは強要してこなかったのだ。
自分の身体を気を使っているのだろうかと、たいして気にも止めていなかった。
ロイはエドワードの静止の声に笑顔で答えながら、
「大丈夫だよ」
安心させるように頭を撫でながら顔中キスの嵐をした。
何故だがロイの自信満万な笑顔にほっと息をなでおろし、ロイにむかって微笑んだ。
が、次のロイの言葉にエドワードは思考・身体ともに固まった。
「中出ししなければ」
なんてことはないように言ったロイ。
顔を引きつらせるエドワードとは反対に、晴れやかな笑みのロイ。
久しぶりにエドワードの身体で感じることができる!
しかも、今まで我慢をしていたがエドワード直々のお誘いなので、止める理由はない。
ご機嫌なロイとは正反対にどんどん顔が青ざめていく。
「きゃーーー!!やっぱりやめる!」
ロイの笑顔になにか感じたのか、派手に暴れ出すエドワード。
この頃やってないから溜まっているんじゃないかと思い立った。
妊娠する前のようにしつこく、何回も何回もイかされるんじゃないだろうか!?そう思うと鳥肌が立った。
だが、そんなエドワードの抵抗をものともしないで軽く押さえ込み封じた。
「だめだよ。エドが言ったじゃないか。ロイの言う事はなんでも聞くって☆」
そんなことを言ったことを深く後悔したエドワードだった。
封じこめたエドワードに微笑みながら、自分が婚約をした時に与えた名前を呼ぶ。
「 」
観念したかのようにロイに身体を預け、快楽に溺れていった。
**END**
携帯サイトで4444HITをお踏みになった麻倉桜花様のキリリク☆
リクエスト部屋の小説はいつも私が書いてるのではないような感じのほのぼのとしたものをテーマとしてやってます。
だから変なところがたっくさんあります。(だからじゃなくて、いつも変だろ)
この話はリクエスト初めての小説でしたのでやけに気合が入っていたお話です。ですが、なんだこりゃ?なお話。
*2004.8.5
*2005.8.30 訂正